無人列車 ←しょうもない昔書いた小説(笑)
ゴトンゴトン、ゴトンゴトン………。
13時45分。
座ると携帯を見てしまうくせは相変わらず、
ボタンを押したら、
画面の左上に表示された数字を心の中で読んでしまうのも
長い間で身についてしまったくせだ。
人ごみの中や、友達との会話で話についていけないときによくしてしまう。
まだかなって、
終わらないかなって
無意識に見てしまうのだ。
そして、目を閉じる。
次は○○駅。○○駅です。
電車が加速するのを感じる。
斜め前に座っている女子高生が、
担任の先生の悪口を言っている。
「あのせんせー、超ウザいんですけど~。」
ちらっと盗み見をしてみる。
同じ制服を着こなしているいまどきの高校生。
今日は午前で終わりなのだろうか。
その子たちの持っている携帯を見た途端、
心の中に嫌な風が吹く。
顔をあげてあたりを見回し、
私以外の人がすべてケータイを見ていることに気づいた。
話しているのに、話していない。
ここにいるはずなのに、ここにいない。
ここに存在しているのは、私だけ。
真実に心がやられてしまう前に
そっとその気持ちを逃がしてやるのだ
非日常の世界が日常になる
日常を嫌う私にはいずらい場所
みんなは気づいていないんだ
この世界が非日常だということを